高齢化社会の進展に伴い、認知症対策や円滑な資産承継の手段として家族信託への注目が高まっています。しかし、家族信託は複雑な法的手続きを要するため、専門家のサポートが不可欠です。
司法書士は、信託契約書の作成や登記手続きなど、家族信託の中核となる業務を担当できる専門家です。
本記事では、家族信託における司法書士の役割やメリット、選定時のポイント、依頼費用などについて解説します。
家族信託を成功させるためには、適切な契約書の作成と正確な登記手続きが欠かせません。
司法書士は、これらの専門的な業務を通じて、家族信託の実現をサポートする重要な役割を担っています。
ここでは、司法書士が家族信託においてどのような業務を行うのか、詳しく解説します。
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司法書士の家族信託に関する主な業務として、信託契約書の作成支援があります。信託契約書とは委託者から受託者に対し、信託の目的に従った財産の管理、処分、運用を委託することを定める契約書です。
信託契約書の作成では法律に関する知識を要するため、専門家以外の方が作成することは困難です。司法書士は家族信託や不動産に関する専門知識を持っており、円滑に手続きを進めるための契約書作成を支援します。また、各家族の事情に応じた細かな条項の設定や、将来起こりうるトラブルを予防するための条文作成も行います。
信託財産に不動産が含まれる場合には、信託登記が必要です。信託登記の手続きには、必要書類の準備や法務局への申請書の提出などを要するため、専門知識が不可欠です。
登記業務は司法書士の主要業務の一つであり、書類作成から提出までの一連の手続きを代行できます。正確な登記手続きにより、信託財産の権利関係を明確にし、第三者に対する対抗要件を備えることが可能です。
家族信託の手続きを司法書士に依頼する、主なメリットは以下のとおりです。
専門知識と豊富な経験を活かした総合的なサポートにより、安心して家族信託を進めることができるでしょう。
司法書士に依頼すれば、家族信託における専門知識が必要なプロセスを、まとめて任せることが可能です。
家族信託の主な依頼先としては、司法書士の他に、弁護士や税理士などが挙げられます。しかし、弁護士や税理士は一般的に登記業務を専門としていません。そのため、弁護士や税理士に依頼する場合は、相続登記のみを司法書士に別途依頼するケースが多いです。
司法書士に依頼する場合は、信託契約書の作成から信託登記までワンストップで対応できるため、複数の専門家に依頼する煩わしさがありません。
また、司法書士事務所によっては他士業とのネットワークを有しており、幅広い専門知識から契約や手続きを行うことが可能です。
司法書士は相続や登記の手続きを専門としており、家族信託に関する経験や専門知識を豊富に持っています。加えて、家族信託に関する資格を取得していたり、研修を受けている司法書士も多いです。そのため、相談者の家庭事情や信託財産の種類などに応じたスキームの構築が期待できます。
家族信託を親族間で進める場合、制度についての理解度に差が生まれ、委託者・受託者・受益者などの立場の違いから対立が発生するリスクがあります。
司法書士に依頼すれば、第三者の専門家として、関係者に対し契約の進め方や制度の内容をわかりやすく説明してもらえます。また、想定されるリスクやトラブルにも柔軟な対応が期待できるでしょう。
家族関係を維持しながら信託を成立させるのであれば、司法書士への依頼がおすすめです。
司法書士は、家族信託を検討するうえで有力な依頼先の一つですが、すべての司法書士が家族信託についての知識を同じように持っているわけではありません。例えば契約書作成に関する専門知識は持っていても、家族関係の複雑性への対応などについては得意としていない可能性があります。
適切な司法書士を選ぶことで、より円滑で効果的な家族信託の実現が可能になるでしょう。
家族信託では、家族ごとの事情などを踏まえた上での柔軟な対応力が求められます。司法書士の対応力を判断する指標としては、家族信託の実績件数を見るのがおすすめです。
家族信託の実績が豊富な司法書士であれば、様々なケースに対応できる可能性が高いでしょう。単純な件数だけでなく、取り扱った案件の種類や複雑さについても質問することが重要です。
保有している資格を確認することでも、司法書士の専門性を測ることができます。「家族信託専門士」や「家族信託コーディネーター」などの資格を保有している司法書士は、家族信託の専門性が高いと判断できるでしょう。
とくに家族信託専門士は定期的な研修が行われているため、家族信託に関する知識を定期的に更新していることの証明にもなります。
家族信託では法律や登記のほか、税金や不動産などの専門知識も必要です。税理士や弁護士などと連携している司法書士を選ぶことで、相続税などの税務上の対応の他、関係者間での法務上のトラブルなどへの対応も可能になるでしょう。ワンストップでの総合的なサービスにより、依頼者の負担を軽減しながら、円滑な家族信託が可能です。
家族信託では、契約を締結して終わりではありません。例えば、法改正や財産状況の変化が発生した際には、自身で対応することは困難なため、アフターフォローが必要です。
家族信託は長期にわたるため、継続的なサポートを受けられる体制があることは大きな安心材料になります。アフターフォローが可能かどうかを確認したうえで、司法書士を選定することが重要です。
さくらリーガルパートナーに在籍する司法書士は家族信託専門士に認定されており、「信託法」「成年後見制度」「民法(遺言や遺留分等)」「不動産登記」等の専門知識を駆使した相続や資産管理のアドバイスが可能です。
家族信託に関するお悩みはさくらリーガルパートナーまでお問い合わせください。
家族信託を司法書士に依頼した場合の費用は、信託財産の額に応じて大きく変化します。
必要な費用の内訳は以下の通りです。
費用の目安として、信託財産の金額の1%以上はかかると考えると良いでしょう。明確な費用は事前に司法書士に相談し、見積もりを取得することが重要です。
さくらリーガルパートナーでは以下の料金で承っています。
信託財産が1億円以下 | 1%(3,000万円以下の場合は、最低額30万円) |
信託財産が一億円を超え3億円以下 | 信託財産の0.5%+50万円 |
信託財産が3億円を超え5億円以下 | 信託財産の0.3%+110万円 |
信託財産が5億円を超え10億円以下 | 信託財産の0.2%+160万円 |
10億円超え | 信託財産の0.1%+260万円 |
家族信託を進めるためには専門家のサポートが欠かせません。なかでも司法書士は、信託契約書の作成支援や不動産に関する登記業務など、家族信託の手続きに関して強みを持つ専門家です。
司法書士に依頼する際には、適切な実績と資格を持ち、他の専門家との連携やアフターフォローが充実した司法書士を選ぶことが重要です。
さくらリーガルパートナーでは、「信託法」「成年後見制度」「民法(遺言や遺留分等)」「不動産登記」等の専門知識を駆使した相続や資産管理のアドバイスが可能です。
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