事業承継

事業承継とは

高齢者が増加の一途をただるわが国では、経営者の高齢化も、問題のひとつとなっています。

これは、中小企業において、後継者難が増加していること、平均寿命上昇や事業承継時期の遅れにより社長在任時期が長期化していることが原因と考えられます。

先代から事業を引き継いだときに苦労した点として「経営力の発揮」を挙げる経営者が多く、また、経営力を発揮していくための育成には5~10年の期間を要すると考える経営者が多数を占めます。

したがって、できる限り早い段階から計画的に事業承継対策に取り組み、計画的に進めていくことが重要です。

  

事業承継とは、『現経営者から後継者への事業のバトンタッチ』を行うことです。


事業承継は、ヒトの承継、経営資源の承継、資産の承継から成り立ちます。

◎ヒトの承継
後継者

◎経営資源(知的資産)の承継
経営理念、信用力、特許、ノウハウ、人脈、許可や認可、顧客情報 等

◎資産の承継
株式、不動産、資金 等

  

  

ヒトの承継について

誰に会社(経営)を承継させるのかによって、メリットやデメリットがあります。まずは、メリットとデメリットをリストアップして、どのような承継方法をとるべきか検討します。

親族内承継

親族内承継は事業承継全体の過半数を占めています。

メリット:関係者からの理解を得やすく、承継のための準備期間を確保できる。

デメリット:相続人が複数いる場合、後継者の決定・経営権の集中が困難。

親族外承継(従業員等)

将来のオーナー経営者の子息等への中継ぎとして、一時的に親族外承継(従業員等)が行われることもあります。

メリット:業務に精通している。

デメリット:後継者に、株式取得等経営資産の引継ぎの資金力がない場合が多い。

親族外承継(第三者)

親族や従業員に後継者候補がいない場合に検討されます。マッチングによる外部人材招聘や事業譲渡先企業を選定(M&A)するものです。

メリット:現オーナーの経営者が会社売却の利益を得ることができる。

デメリット:希望の条件を満たす買い手を探すのが困難。

  

  

資産の承継について

事業承継における「資産の承継」とは、自社株・事業用資産・資金等の承継を指します。

経営権の承継のためには、後継者の議決権を確保する必要がありますが、その方法は、大きく次のように分類することができます。

①自社株式の後継者への集中的承継
②会社法の活用
③信託の活用

このうち、①の自社株の承継がとりわけ重要になります。

自社株式は先代経営者の個人資産でもあるので、その承継(移転)は通常、売買、生前贈与、死因贈与、遺言、遺産分割などによって行われます。事前対策が取られていない場合、相続人に人数が多ければ株式が分散してしまい、後継者が経営権を失うおそれがあります。

事業承継を進めるには、遺産分割を回避すべきといえます。

 

~売買による自社株の承継~

先代経営者(売主)が後継者(買主)から代金を受領して自社株式を譲渡。

生前に、先代経営者と後継者の間だけで承継を実現させることができます。
売買代金、譲渡所得など経済的負担が大きく、また、代金額が不相当の場合、遺留分の関係で贈与とみなされ遺留分減殺の対象となり得ることに注意が必要です。
ただし、自社株の価格が低い場合は経済的な負担も軽く、遺留分減殺の対象となる心配がありません。

 

~生前贈与による自社株の承継~

先代経営者が後継者に、自社株などを、生前に無償で譲渡。

売買によるものと同様に、生前に、先代経営者と後継者の間だけで承継を実現させることができます。
特別利益として遺留分減殺の対象となり得ることと、相続税よりも高額の贈与税の負担が生じることに留意が必要です。

 

~遺言による自社株の承継~

先代経営者が、遺言書などにより、自分の死亡後の自社株などの承継者を指定

遺言は、単独で行うことができます。また、遺言はいつでも撤回することが可能です。自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、できれば公正証書遺言が望ましいでしょう。遺言がない場合には、遺産分割協議を行う必要があり、遺産分割が未了の間は、原則として自社株は法定相続人間の共有状態となります。

 

~死因贈与による自社株の承継~

先代経営者が自分の死亡によって効力を生ずる贈与契約により後継者に譲渡。

遺言と同様、基本的に撤回が可能ですが、判例上、撤回ができない、とされる場合があります。

  

  

  

  

  

 

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